2009年5月24日日曜日

10...スカルプの崩れ

こんにちはーサーフです。
すみません、前回よりしばらく時間が空いてしまいました。

今回は「スカルプの崩れ」についてです。
ちよっとカメラを離すとスカルプがすぐ崩れる、ということをよく聞きます。

これにはちゃんと理由があるので、それを理解して
ブレンダーでの形作りに役立ててくださいませ。


まずは簡単に スカルプって、どういうふうに出来てるの? て話しから..。


(ペンタブ欲しい...マウスで書いているので、お許しください)

スカルプは一枚の紙からできている、と考えると分かりやすいと思います。

左端のような一枚の紙を、クルクルっと両端を丸めていき、
後ろで繋ぎ合わせます。この段階では穴の空いた筒ですね。

これを上下の端をそれぞれ一カ所に集めて収束し、蓋をします。
これでシリンダーのスカルプが出来上がり。


この最初の一枚の紙が、ブレンダーでBAKE(出力・焼き出し)した
虹色のスカルプマップ
のことです。
スカルプマップの虹色はそれぞれの頂点や面の位置情報を色で表し、
その情報によって形が出来ていくわけです。


さて、ここから「スカルプの崩れ」についてです。

下の画像をご覧ください。


ここにA・B 2つの同じ形のオブジェクトがあります。


カメラを少し離してみました。
Aはほとんど同じですが、Bは中央の凸部分が変形してきています。


さらに離れてみると、Aはまだちゃんと原形を止めていますが、
Bはもう凸部分がまったく無くなっています。



なぜこんなにもAとBは形の崩れ方が違うのでしょうか。

33×33の頂点から出来ているスカルプは
カメラの距離によってその頂点が省略される
からなのです。


Bは凸部分を省略される頂点で形を作り、
Aは省略されない頂点で作ってますので
距離が離れても形はちゃんと保っている、ということですね。


じゃ、どの頂点が省略されて、どこが省略されないか....


最初に説明した一枚の紙、つまりブレンダーの右画面のスカルプマップで説明します。









左上の角を拡大してみました。



縦の1の列(グルグルっと丸めた時に反対側の端と貼付けられる部分)

横の1の列(上下の収束点、つまり蓋の中央になる部分)



どちらも、この1を基点
「3つおきに有効頂点」 となります。

間の3つの頂点は省略される、ということです。
1.5.9.13.17.21.25.29.33 の頂点が有効ですね。

そのオブジェクトの形だと分かる基本的な部分(たとえば箱なら上下それぞれ4つの角、とか....その部分に有効頂点を使ってあげれば、カメラを離しても箱だ、という形はしっかり残るということです。




実際に先ほどのA、Bそれぞれの頂点の位置を見てみます。



Aの崩れていないオブジォクトは
縦の5.9.13.17..の有効頂点で、ちゃんと凸凹部分を形成しています。
(5の位置では2.3.4の頂点と、9の位置では10.11.12の頂点と、それぞれ頂点を寄せて近づかせています)



逆にBは、凸部分に14.15.16と省略される頂点を使っているため、
離れるとその頂点が省略され無くなり、13と17の頂点を
結んだ直線になってしまうのです。



ワイングラスを作るとしたら、上のような最低ワイングラスと分かる形を考えて、そこに有効頂点を配置して形成すると良いでしょう。

有効頂点は少ないのであまり気にしすぎて形を作ると、イメージした形のものが出来なかったり、テクスチャの作成の時に面の大きさがバラバラになり作りずらい、とかがあります。

最低限の部分には有効頂点を配置して、後はバランスを見ながら編集したほうが良いかもしれません。
これもいろいろ試してみてください。

※省略されない有効頂点、と書いてますが正確には「省略されずらい有効頂点」が正しいかもしれません。
かならず省略されない、というものでは無いようですので。

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